訪ねた日2019年6月23日(日)
「奇体」と「怪体」を混同していると彼は思った。
「京都は好きか?」
女は乗気らしい返事をした。
~~志賀直哉 暗夜行路より~~
せっかくなので、左阿彌へ行く前に『暗夜行路』を読んでみようと思いました。
むむむむむ。
前編を読み終えたのに、主人公は京都にさえ行っていない。
日頃、たいして読書はせず、しいて言うなら太宰治派な私。
そのうえ遅読で、読み終わらず当日をむかえました。
後日、続きを読もう。
創業は嘉永2年(1849年)だそうです。
左阿彌の基本情報
住所 | 〒605-0071 京都市東山区円山公園 |
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電話 | 075-531-0088 |
アクセス |
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左阿彌はこんな人におすすめ
・立地もよく、静かに自然も楽しめ、和食を食べたい欲張りな人。
八坂神社から円山公園の奥、急な坂を登りますが、観光客もまばらで静かな所にあります。
・素敵な器で食事をしたい人。
左阿彌のようす
入り口でお迎えして下さいました。
入り口から建物まで、贅沢にとられたアプローチ。
坂なのに楽しく進めます。
左奥のほうにみえるのは、離れ。
3つほど、離れが点在しています。
敷地は1000坪。
通された部屋は二間つづき。泊まれそう。
昔は旅館もされていたそうです。
左阿彌は、全て個室になります。
畳か、畳に椅子か、予約の際に選べます。
青もみじが素敵。
左阿彌のお料理
昼の華御膳(6,831円税サ込)を頂きました。
食前酒の梅酒は、今までになく、濃厚な梅の味がしました。
食事が進みそう。
先附は鱧湯葉蒸し。上には枝豆、芽じそ、梅肉。
湯葉と卵の二層になっています。
肉厚で大きな鱧が入っているので、梅肉で絡めたり、湯葉とあわせたりと充分堪能できます。これで夏を乗り越えられる。
八寸は左奥から鴨燻製。よく脂がのっている。
鳥好きには、たまらない。舌鼓をうつとは、まさにこの事と思いました。
鱧寿司、スナップ。
手前左から子持昆布、烏賊の黄味焼き。烏賊の味がしっかりしていました。山桃。
黄味焼き・・・材料を白焼きまたは塩焼きにし、卵黄に調味料などを加えてのばしたものを、繰り返し少しずつ塗りながら軽く焼いた料理。さわら・鯛などの白身魚、えび、いか、ほたて、鶏のささみなどを用いる。◇「ろう焼き」「黄金(こがね)焼き」ともいう。 出典:コトバンク
向付は鯛、脂がのっていて美味しかった。山葵がより引き立つ。
鮪、紅蓼、ラディッシュ、莫大海(山葵の右隣のジュレ)、金魚草。
莫大・・・中国原産のアオイ科(従来の分類ではアオギリ科)ピンポンノキ属の植物ハクジュ(伯樹または柏樹、学名:Sterculia lychnophora、シノニム:Scaphium macropodumまたはS. lychnophorum)の乾燥果実。種子の周りの果肉が水分で膨張するのが特徴で、食用、薬用とする。
日本では、乾燥した実を水、微温湯、または番茶で、落とし蓋をして戻して種子を除き、膨張した果肉を刺身のつまや懐石料理の酢の物、寒天寄せなどにもちいる。「莫大な海のような大きさになる」というたとえから、別名を莫大海、胖大海という。
莫大海は初めて食べるので、じっくり味わってみましたが、???
ネット検索してみると、味はないとのことでした。
このジュレに味つけがされていたのか、すこし木の芽に近い味がしました。
莫大海は、お刺身に添えられている時は、褄などと同じ扱いなんですね。
向附の器は高さがあり、涼し気でお刺身がピッタリ。
剣の大根がとても瑞々しかったです。
お連れさんは赤身の生魚が苦手。
事前に連絡しておいたので、鮪を鱧に変更して下さいました。
碗は海老葛叩き、糸瓜、茗荷、はす芋、柚子。
柚子の香に、いつもホッとします。
葛打ち(葛叩き)・・・日本料理で、魚介類や鶏のささみなどに下味をつけてくず粉または片栗粉をまぶし、軽くゆでること。また、その料理。冷水で締めて和え物にしたり、椀種に用いたりする。つるりとした口当たりを楽しむ。◇「くずたたき」ともいう。
出典:コトバンク
蓮芋・・・ハスイモは里芋と同じサトイモ科サトイモ属の植物ですが、サトイモが主に根の部分を食べるのに対し、はす芋は根が大きくならず、サトイモの近縁種とされています。
根は食べられませんが、葉柄部分、いわゆるズイキのみを食用とするために栽培されています。 出典:旬の食材百科
焼肴は、鮎塩焼き、はじかみ。
炊合の器が可愛かったので、器中心の写真をひとつ。
炊合は、鰻信田焼、手毬ゆば、人参、キヌサヤ、木の芽。
酢の物は、順才、落とし芋、胡瓜、マイクロトマト、レモン酢。
落とし芋・・・熱い吸い物あるいは味噌汁に、ヤマノイモをすり下ろして落とし入れた料理。 出典:goo辞典
後汁は、もずく、三つ葉が入っていました。
うーん、酢の物に順才で後汁にもずくは、ヌメッとしたものが続くなあ。
御飯。
香の物は、柴漬けと壬生菜漬けと塩昆布。柴漬けは美味しかったので御飯が進みました。
塩昆布は、私には味が濃すぎ、残しました。
水物は、マンゴープリンと赤メロン、キウイ、あじさいゼリー 。
お品書きにはマンゴープリンとありましたが、私が牛乳アレルギーのためマンゴーゼリーに変更して下さいました。
左阿彌近くの立ち寄りスポットはコチラ⇒祇園・東山 立ち寄りスポット
今まで訪れた老舗の創業順一覧はコチラ⇒創業年表
美食俱楽部 部員 左阿彌の感想
器がどれも凝っていて、まさに目でも食するんですね。
時折、うぐいすの鳴き声が聞こえてきました。
3月頃から聞こえてくるそうです。
五感を総動員して、贅沢な時間を過ごせました。
追記
『暗夜行路』を読み終えました。
出てきました、左阿彌。主人公の結婚式の会場として、サラッと登場していました。
瓢亭も出てきていました。
瓢亭の記事はコチラ⇒瓢亭 | 朝粥とゆで玉子で有名なお店へ
YouTubeは→コチラ
ほな、さいなら。
こういう記事を読むと心が豊かになります。気持ちが贅沢になります。
志賀直哉といえば、奈良公園の江戸三の若草鍋を思い出します。志賀の命名になる鍋です。奈良は、京都に比べるとうまいものを食べさせてくれる店が少なく、このほか玄くらいしか思いつきません。
左阿彌、行ってみたくなりました。
ニラ爺さん
行ってみたくなりました、のコメント嬉しいです。
来店されたら、また感想教えて下さい。